対象となるHDDを接続すると、パソコンが起動しない場合があります。そのような状況のHDDから、データを回収する作業の流れを紹介します。
もちろん、HDDの壊れ方は、それぞれ異なりますので、必要な対応も異なります。データ回収作業の参考になればと思います。
※ 対象となるHDDは、HDDの状態を監視し、不良セクタの増大が観察されたので、 その時点で、別のHDDにデータを回収しています。すでにRMAの対象期間も確認し機関外である事も確認しています。 その後、読み込めない状態になったので、ファイナルデータのデータ回収の手順を説明するために、作業を行いました。 実際には、スキャンのみを行い、ファイルが確認できたところで終了しています。 おそらく、ほとんどのデーターは、問題なくデータは回収できるものと思われます。私は、直接作業していますが、 データリカバリーの記事を読むと、壊れたHDDのデータを正常なHDDにコピーして、コピーしたHDDで作業し、元のHDDはそのまま置いておくと書かれています。
このような壊れ方とは別に、Seagate社製のHDDでは、起動のためのデータを格納した領域に不良セクタが発生すると、 HDDが読み込めなくなる現象が発生するようです。 これは、突然死とも呼ばれ、不要セクタの観察では防げない症状です。
準備
回収したデータを格納するためのHDDを用意する
データを回収するHDDと同じか、それより大容量のものが必要です。もちろん、回収するデータ量が少なければ、回収するデーターより大きければ問題ありません。 しかし、何度も作業すると、対象となるHDDが壊れてしまう可能性があるため、回収するHDDと同じか、それより大容量のものを用意することをお勧めします。
HDD購入 3.5インチHDDケース ポータブルHDDデーターを回収するHDDの型番を記録しておく
「重要です」作業するHDDを特定するために、型番を控えておきます。
ファイナルデータは、どのHDDか判断するための情報があまり提供されません。
HDDをつなげると、パソコンが起動しない場合のデータ回収手順
HDDからのデータの回収作業ではよくある現象です。 対処方法は、私が把握しているものは、次の3つです。3番目が確実ですが、OSで認識させたほうが操作が楽になります。
- 電源を切って、再起動して、偶然起動するのを期待する。
- パソコンが起動後(ブザー音のあと)、OSが起動する前に、HDDを接続する。
- ファイナルデータを単独起動させ、その後の処理を行う。
ファイナルデータは、読み込めなくなったHDDからデータを回収するためのアプリケーションです。
今回は、電源を切って再起動するとOSが起動しました。しかし、エクスプローラーを起動すると応答無しになり、何の操作も行えません。
この後、他のアプリケーションも起動しませんでした。そこで再起動を実行すると、終了にも、起動にも時間がかかったので、チェックディスク機能による復元を期待しましたが、再起動後も同じ状況でした。
起動設定を、光学ドライブから起動する設定に、変更する
作業用パソコンの起動設定で、光学ドライブから起動する設定に、変更します。起動速度を上げるため、 通常起動するHDDが、一番先に起動ドライブとして確認するように設定されています。 しかし、今回のように専用環境から起動する場合は、USBや光学ドライブから起動させる必要があります。 そのため、ドライブの起動順位をマザーボードBIOSで変更します。
起動時のBIOS画面で、DELキーを押して設定画面に入ります。
BIOS SETUP UTILITYで、Bootを選択し、1st Boot Device で、光学ドライブを選択します。
Exitタブを選択します。
保存して、終了します。
ファイナルデータの起動ディスクでブートする
光学ドライブに、ファイナルデータの起動ディスクを挿入し、起動します。
Windowsが起動します
コンソールで、プログラムが実行されます。
「FINALDATAを実行」を選択します。
シリアル番号の入力が求められます。面倒なので、改善してもらいたい部分です。
起動します。
次に、データを回収するドライブを選択するのですが、ドライブ文字が付け直されているので、どのHDDか判断することができません。
物理ドライブタブを選択し、控えておいた製品コードから、処理するHDDを判別します。 同じHDDが存在すると判断できないことがあることに注意が必要です。
パーティションの検出が開始されます。
データを探すパーティーションを選択します。今回は、1つしか存在しなので迷うことはありません。
削除されたファイルの検索が始まります。
ファイルとフォルダが検索できました。
回収したデータを保存するドライブを指定します。HDDドライブの情報が少なすぎてどれを選んだらいいか迷うので、 あらかじめ、特徴的な名前のフォルダを作成しておくといいかもしれません。
復元するファイルを選択し、復元をクリックすると復元可能であれば、復元できます。
ファイナルデータは、回収できないと考えていたデータを回収するためにはかなり強力なツールです。 データをあきらめる前に、ファイナルデータのようなデータ回収ツールでのデータ回収にチャレンジしてみましょう。