Home > コンピュータ > コンピュータ操作 > ハードウェア > HDD

HDDのS.M.A.R.T.の値や値の変化を監視する

新規作成日 2018-12-10
最終更新日

概略

HDDの突然死を防ぐことはできません。そのため、HDDの不調を感じたら、HDDのデータを他のHDDにコピーしたり、バックアップツールを用いて、自動で、定期的に差分バックアップを作成することも大切です。

それだけでなく、HDDの状態を示す、SAMRT値を監視すると、HDDが特定の壊れ方をする場合に、データが読み込めなくなったり、HDDが認識しなくなる前に、気がつくことができます。

HDDのSMARTを監視する方法

SMARTを監視ツールを常駐させます。 HDDのSMARTステータスを監視するソフトを常駐させ、値に変化があったら通知してもらいます。

CrystalDiskInfoが有名ですが、他にもいろいろなツールがあると思うので、好みのツールを探してください。

重要

S.M.A.R.T.の値や値の変化のみで、HDD、SSDの故障を予測するのは、困難です。

実際に壊れたHDDやSSDの壊れる前のS.M.A.R.T.の変化の記録から、故障との関連性を見つけることで、事前に故障を予測するソフトウェアを「故障予測ソフトウェア」と呼びます。

FromHDDtoSSDは、データソリューションセンター(IUEC)よって提供されている日本で開発されたHDD管理ツールです。一部の機能は、無料で利用でき、その中に、HDD、SSDの故障予測機能も含まれています。

実際に、その故障予測が信頼できるものかどうかは、実際に利用してHDDやSSDが故障したときに初めて確認できますが、このページの後ろで紹介する「不良セクタの急増」だけを指標にするよりも故障予測精度は高くなると推測できます。

ドライブ故障統計→ストレージ故障予測の仕組み 概要 用途別に2種類をご用意

不良セクタの監視

不良セクタを監視すると、不良セクタの増加が原因で、HDDのデータが読み込めなくなったり、HDDが認識しなくなる前に、気がつくことができます。

不良セクタに関連する項目は、複数存在します。

  • 代替処理済みのセクタ数
  • 代替処理保留中のセクタ数
  • 回復不能セクタ数

名称から判断すると、不良セクタが見つかると、だいたい処理保留中のセクタと認識され、その後、代替処理が、正常に完了すれば、代替処理済みのセクタになり、失敗すると回復不能セクタとして認識されるものと思います。

管理領域の破損

HDDには、HDDを機能させるための情報がHDD内に書き込まれています。そのデータが書き込まれたセクタが破損すると、HDDは、認識しなくなるそうです。

この場合の対処方法や前兆現象の確認の方法は、私は、知りません。

不良セクタを監視してHDDの交換時期を推測する

SMARTの不良セクタに関する項目から、HDDの交換時期を推測するためには、値の絶対値ではなく、値の変化の推移を観察します。

経験上、「代替処理済みのセクタ数」が急増してから、HDDを交換しても十分間に合います。

この状態でアプリケーションに起こる現象は、アプリケーションの不具合が多発することです。例えば、TV録画の保存先に指定すると、録画の失敗が多発します。

不良セクタ発生の具体的な例

セクタ代替の急増

SMART監視ツールを使用していれば、右側の急激にグラフが上昇するところでは、常に、セクタ代替の発生が通知され続けることになります。

明らかに、不具合が発生していますが、この状態では、OSの警告はなく、このHDDを利用するアプリケーションで、動作の遅延が発生するのみです。

チェックディスクを実行しても、HDDの不良セクタの代替が正常に行われているので、何の不具合も通知されません。OSも不具合を通知しません。

この状態を確認したら、交換用のHDDを発注し、届いたら、不具合のあるHDDにあるすべてのデータを、新しいHDDにコピーし、HDDを交換しても良いかと思います。 他のHDDに空き容量があれば、データを移してしまってもいいと思います。 しかし、壊れかけたHDD上で、コピーや削除を繰り返し、必要なデータを選別する作業は、壊れかけたHDDにトドメを刺す可能性が高いので、避けましょう。新しいHDDにデータをすべてコピーした後、データの選別のために、コピーや移動、削除を行うことをおすすめします。

また、この状態では、グラフの値の推移を見る限り、明確に壊れていると思えますが、壊れたHDDを保証で交換してもらうRMAの申請に必要なHDDチェックツールでのチェックの結果は、異常を検出しません。

不良セクタはこのまま急増するわけではなく、一時的に、増加の速度が収まります。しばらくすると、また、急激に増加するはずです。

一時的な値の頭打ち

OSからのHDD交換の推奨

OSから、HDD交換を推奨されることがあります。先程の例から判断すると、このときは、既に、末期症状です。すぐにHDDを発注し、交換作業に入りましょう。

もし、対象のHDDが、システムディスクであれば、必要なデータだけコピーし、システムは、リカバリーやクリーンインストールで修復することをおすすめします。これは、システムに使われているデータが、破損している可能性があるため、その後の動作の不安定さを防ぐためです。

不良セクタが、増大したHDDをフォーマットする

データを新しいHDDにコピーしたあと、不良セクタが、増大したHDDをフォーマットしたことがあります。

もしかしたら、フォーマットにより、不良セクタが都合よく処理され、問題なく変えるようになるのではないかと思い実行しました。(クイックフォーマットではありません)

フォーマットには、かなり時間がかかりましたが、思惑通り、SMART監視ツールでは、「代替処理済みのセクタ数」を減らす事ができました。

フォーマット後

フォーマット後、不良セクタは発生しませんでしたが、翌日、HDDがら異音が出るようになり、ドライブが認識できなくなりました。 「ディスクの管理」からも認識させることができませんでした。私があまり出会ってこなかった壊れ方のパターンです。 この現象が発生している間、SMARTステータスに変更は発生しませんでした。

異音が発生するということは、ディスクかヘッドに問題が発生していると思われます。このときは、SeagateのHDDだったのですが、不良セクタが増大したHDDは、再利用を考えず、そのまま破棄することをおすすめします。

このことから、RMAチェックツールに不良を検知させるためには、フォーマットの実行が有効かもしれません。

リカバリーソフトのファイナルデータで、認識できないHDDを認識させることができるといわれています。このときの認識できなくなったHDDで、認識可能か確認してみました。別のパソコンに、この壊れたHDDを接続して、起動しようとするとBIOSチェックに引っかかって起動できません。 仕方なく、元のパソコンで、ファイナルデータで確認してみますが、HDDが見つかりません。

エラーレート

不良セクタに問題が無くても、HDDの読み込みが遅くなったり、HDDが突然読み込めなくなったり、認識しなくなったりすることがあります。

この壊れ方の前兆現象を見つける方法は、まだ良くわかりません。

しかし、可能性として、エラーレートの値の監視があります。

  • リードエラーレート
  • シークエラーレート

名称から、データの読み込みや書き込みに失敗したことを示す値と思われます。どのような状態が、HDDの故障の前兆なのかは、よくわかりません。

リードエラーレート シークエラーレート

HDDが、突然、認識したり、読み込めなくなってしまうことを防ぐために、SAMRT監視ツールで、各値を監視し、HDD故障の故障の前兆をも見つけることができれば、さらに、HDDの故障によるデータの喪失の可能性を避けることができます。

データバックアップの重要性

SAMRT監視だけでは、完全に、HDDの突然死を防ぐことはできないので、HDDの不調を感じたら、HDDのデータを他のHDDにコピーしたり、バックアップツールを用いて、自動で、定期的に差分バックアップを作成することも大切です。

メーカー製パソコンを購入した際は、添付される注意書きにあるように、リカバリーディスクをすぐに作成しましょう。そうしておけば、システムHDDが壊れても、HDDを交換して、リカバリーするだけで、再度、パソコンを使用する事ができます。

使用するアプリケーションをインストールした状態で、システムディスクのバックアップを作成しておけば、更に、短い時間で、再びパソコンを使用することができます。

このエントリーをはてなブックマークに追加