ほとんどのグラフィック・ツールは、レイヤー(画層)機能を持っています。
レイヤー機能は、セルアニメのように、全体の絵を複数の部分に分割して描き、あとから、かき分けた部分部分を修正したり、差し替えたりするための機能です。
ペイント系のグラフィック・ツールでは、描いてしまうと修正は、描き直す必要があるので、作業を軽減するためには、レイヤー機能を有効に活用することが大切になります。
ペイント系のグラフィック・ツールと異なり、Inkscapeのようなドロー系のグラフィック・ツールは、あとから描いたオブジェクトやパスを修正することできるため変更が容易です。
ドロー系のツールでも、複数の部分部分をそれぞれのレイヤーに分け、表示・非表示を切り替えて差し替えたり、透明度を変更して遠近感を調整する、重ね合わせ順序の変更など使い方の工夫によっては、かなり作業性が良くなります。
レイヤーの使いみち
レイヤーの主な用途
- 部分ごとに描くことで描き直しを減らす
- 絵の一部の有る無しや差し替えを行う
- レイアウトに使用する
あとで再利用しやすいレイヤー構成を考えておくことが大切です。
レイヤーの基本機能
レイヤーは、どうやって活用するかは、工夫が必要ですが、機能自体は単純です。機能を覚えて、どうやって使うと作業が軽減できるかを考えることが大切です。
レイヤーパネルを表示する
レイヤーパネルを表示するには、「レイヤー」→「レイヤー」(Shift+Ctrl+L)を選択します。
右側のツールパネルにもボタンがあります。
レイヤーパネルが表示されます。
新しいレイヤーを追加する
新しいレイヤーを追加するには、「レイヤー」→「新規レイヤー」(Shift+Ctrl+Nを選択します。
レイヤーパネルで、+ボタンを押しても追加できます。そして、-ボタンで削除できます。
レイヤーを追加する際に、名前を指定できます。
表示、非表示、透過率を変更する
レイヤーの表示・非表示は、レイヤーパネルで変更します。右側の目のアイコンをクリックすると表示する際は、開いた目、非表示の際は、閉じた目のアイコンに変化します。
透過率は、パネル下部の「不透明度」を変更して調整します。
重ね合わせ順序を変更する
レイヤーの重ね合わせ順序は、レイヤーを選択して、上下の矢印をクリックすることで変更できます。
ロック(変更禁止)する
レイヤーを変更禁止にする際は、レイヤーパネルの南京錠のアイコンをクリックします。開いた状態だと、変更可能で、閉じた状態だと変更できません。