作成日 2015-07-30
最終更新日
概要
アトミックベクトルは、R言語で最も簡単なベクトルです。このベクトルを利用して、いろいろなベクトルを作成します。
アトミックベクトルの特徴
- 1次元のベクトル
- 「倍精度浮動小点数(numeric )」,「整数(integer)」,「文字(character)」,「論理値(logical)」, 「複素数complex」「バイナリ(raw)」のどれかとデータが存在しないことを示す「NA」だけで構成される。
アトミックベクトルかどうか確認する方法
アトミックベクトルか確認するには、「is.vector」を使用します。
> die <- c(1, 2, 3, 4, 5, 6) > die [1] 1 2 3 4 5 6 > is.vector(die) [1] TRUE >
ベクトルの値型
R言語で使用する、ベクトルの値型を確認する。 typeofを使うとオブジェクトの型が何かRに問い合わせることができます。
倍精度浮動小点数(numeric)
既定では、Rは倍精度浮動小点数(numeric )で数値を格納します。信頼性のある範囲は、16桁です。
> die <- c(1, 2, 3, 4, 5, 6) > die [1] 1 2 3 4 5 6 > typeof(die) [1] "double" >
整数(integer)
入力に大文字のLをつけると数値型(int)になります。
整数で、処理出来るものは、整数で扱えば、浮動小数点を使う事で発生する浮動小数点誤差を避けることができます。
> int <- c(-1L, 2L, 4L) > > int [1] -1 2 4 > typeof(int) [1] "integer" >
文字型(charactor)
入力をクオートで囲めば文字型(charactor)になります。
> text [1] "Hello" "World" > typeof(text) [1] "character" >
論理値(logical)
論理ベクトルは、Rにおける論理値、TRUEとFALSEを格納します。
大文字で、クオートなしで、TRUEまたはFALSEと入力すると、Rは、その入力を論理データとして扱います。 また、Rは、RとTをTRUE、FALSEの省略形と認識します。
> 3 > 4 [1] FALSE > logic <- c(TRUE, FALSE, TRUE) > logic [1] TRUE FALSE TRUE > typeof(logic) [1] "logical" > typeof(F) [1] "logical" >
複素数(complex)
複素数ベクトルは、複素数を格納します。複素数ベクトルを作るには、整数にiを付けた虚数項を追加します。
> comp <- c(1+1i, 1+2i, 1+3i) > comp [1] 1+1i 1+2i 1+3i > typeof(comp) [1] "complex" >
バイナリ(raw)
rawベクトルは、手が加えられていないデータバイトを格納します。長さ(n)の空のrawベクトルはraw(n)で作ります。
> raw(3) [1] 00 00 00 > typeof(raw(3)) [1] "raw" >